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相続人に特別寄与料を請求したいときの流れ

相続人ではない親族が、被相続人の介護や看病に尽力していた場合でも、その貢献が正当に評価されないケースがあります。

そこで注目したいのが特別寄与料制度です。

今回は、相続人に対して特別寄与料を請求したいと考えたとき、どのような流れで進めればよいのかを解説します。

特別寄与料とは

特別寄与料とは、相続人以外の親族が被相続人の介護や看病など、無償で貢献していた場合に請求できるものです。

従来の制度では、相続人でない親族がどれだけ尽くしても、それに対して金銭的な見返りを請求する制度がありませんでした。

しかし2019年の法改正により、相続人に対して、家庭裁判所の調停や審判を通じて「特別寄与料」を請求できるようになりました。

たとえば、亡くなった父親の面倒を長男の妻が何年も見ていたケースでは、特別寄与料の請求が認められる可能性があります。

特別寄与料が認められるための条件

特別寄与料は、誰にでも認められるわけではありません。

以下のような条件を満たす必要があります。

 

  • 被相続人の親族であること
  • 無償で介護や看病などをしたこと
  • 被相続人の財産の維持や増加に寄与したこと
  • 家庭裁判所に請求を行うこと(必要な場合)

 

それぞれ確認していきましょう。

被相続人の親族であること

特別寄与分を請求できるのは、被相続人の「親族」に限られます。

民法725条によれば、親族とは「6親等内の血族」「3親等内の姻族」と定められており、これに該当する人が対象です。

長男の妻や甥・姪、義理の父母なども含まれます。

赤の他人や、親族関係が法的に認められないひとは対象外となります。

無償で介護や看病などをしたこと

特別寄与分が認められるには、介護や看病などをしたという事実が必要です。

あくまでも「無償」が前提であり、介護報酬や雇用契約によって働いていた場合には該当しません。

自発的に家族の一員として尽くしていた行為に対して、後から補償するという位置づけです。

被相続人の財産の維持や増加に寄与したこと

単に手伝ったというだけでは足りず、被相続人の財産が実際に維持された、または無駄な出費を防いだなど経済的な効果があったと評価できる必要があります。

経済的効果があるかどうかは、請求を認めてもらううえで重要な要素です。

家庭裁判所に請求を行うこと(必要な場合)

特別寄与分は、相続人との話し合いで合意が得られれば、そのまま支払いを受けられます。

しかし合意に至らない場合は、家庭裁判所に請求する必要があります。

請求には期限があり、「相続開始および相続人を知った日から6か月以内」または「相続開始から1年以内」です。

期間を過ぎると請求できなくなるため、早めに対応してください。

特別寄与料の請求の流れ

特別寄与料を請求するには、一定の手続きを踏む必要があります。

以下のような流れで進めるのが一般的です。

①相続が発生する

まず、被相続人が亡くなった時点で相続が開始されます。

遺言書の有無や相続人の範囲、財産の内容を確認する必要があります。

②寄与の事実を整理する

次に、自分がどのような寄与をしたかを具体的に整理します。

介護の内容や期間、頻度、時間、かかった費用などを詳細に記録してください。

以下のようなものであれば、証拠として使えます。

 

  • 介護記録
  • 日記やメモ
  • 交通費や医療費の領収書
  • 第三者の証言

 

証拠があれば、後の話し合いや裁判で主張が通りやすくなります。

③相続人と話し合う

まずは相続人に対して、自分の貢献を説明し、特別寄与料を請求する意向を伝えます。

相続人が寄与を認めて金額について合意すれば、協議書を作成して支払いを受けられます。

相続人が寄与を認めない、あるいは金額で折り合いがつかない場合は、家庭裁判所に調停や審判を申し立ててください。

④家庭裁判所に申し立てを行う

協議で合意に至らなかった場合、家庭裁判所に「特別の寄与に関する処分調停」を申し立てます。

申し立ては、前述のように、相続開始および相続人を知った日から6か月以内または相続開始から1年以内に行わなければなりません。

必要書類は、以下の通りです。

 

  • 申立書1通(申立書の写しを相手方の人数分用意)
  • 申立人および相手方(相続人)の戸籍謄本
  • 被相続人の死亡の記載がある戸籍(除籍や改製原戸籍)謄本

 

家庭裁判所の定める書式と記載例を参考に記入してください。

裁判所は書類とともに寄与の内容を確認し、特別寄与料を認めるかどうか、また金額をいくらにするかを判断します。

特別寄与料の金額の目安とは

特別寄与料の金額に関して、法律上の明確な基準はありません。

被相続人の財産全体に対する貢献の割合や、寄与の内容と期間などをもとに、個別に判断されます。

実際には、請求額のすべてが認められるわけではなく、裁判所の判断によって一部のみが認定されることもあります。

特別寄与料の請求は弁護士に依頼するのがおすすめ

特別寄与料の請求は、法的知識が要求されるため、弁護士に相談するのがおすすめです。

相続人と対立している場合や、複数の相続人が関与している場合は、スムーズに手続きを進めやすくなります。

ただし費用がかかるため、寄与の内容や金額の見通しを踏まえつつ、依頼するかどうかを検討してください。

まとめ

特別寄与料は、相続人以外の親族が被相続人に対して無償で貢献した場合に認められる制度です。

請求する場合は、寄与の証拠をそろえつつ、相続人との協議を行う必要があります。

それでも合意できなければ、家庭裁判所に申し立てを行います。

必要に応じて弁護士などの専門家の意見を取り入れながら、冷静に進めましょう。

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弁護士 日高 伸哉【大阪弁護士会】

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経歴
  • 関西大学法学部 卒業
  • 登録年  年(旧61期)

事務所概要

名称 日高法律事務所
所属弁護士 日高 伸哉(ひだか しんや)
所属団体 大阪弁護士会
所在地 〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満5-9-5 谷山ビル6階
電話番号 / FAX番号 TEL:06-6809-5337 / FAX:06-6809-5338
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