不動産の手付金の返金に応じない相手への対処法
不動産の売買では契約時に手付金を支払いますが、契約が白紙になったあとに返金をめぐって対立することがあります。
返してもらえるかどうかは、契約が終わった理由と契約書の定め方によって結論が変わるためです。
今回は、手付金の返還を求められる場面と、応じてもらえないときの進め方を説明します。
手付金が戻る場合と戻らない場合
同じ手付金でも、だれの都合で契約が終わったのかによって扱いは大きく分かれます。
まずは戻らない場面と、返還を求められる場面を分けて整理します。
買主の側の都合で解除すると戻らない
不動産の売買で交付される手付は、特段の合意がなければ解約手付として扱われます。
売主が宅地建物取引業者の場合、特約があってもこの扱いは覆せません。
宅地建物取引業法39条2項が手付の性質を問わず解約手付として扱い、同条3項がこれに反する買主に不利な特約を無効とするからです。
民法557条1項により、買主は手付を放棄し、売主は倍額を現実に提供することで契約を解除できます。
買主が自分の都合で解除する場面では、支払った手付金は戻りません。
相手方が契約の履行に着手したあとは、この方法による解除ができないという制約もあります。
返還を求められる場面
融資が承認されなかったときに契約を白紙に戻すローン特約が付いていれば、手付金は全額返還されます。
売主の債務不履行や契約不適合を理由に解除した場合は、返還に加えて損害賠償の請求も可能です。
売主が宅地建物取引業者で、事務所以外の場所で買受けの申込みをしたときは、宅地建物取引業法37条の2により書面で告げられた日から8日以内であれば申込みを撤回でき、手付金は返還されます。
契約の成立前に申込証拠金として預けた金銭についても、申込みを撤回すれば返還を受けられ、宅地建物取引業者が返還を拒むことは禁じられています。
請求の準備から法的手段までの流れ
相手が返還を拒んでいるときは、根拠を固めてから段階を追って動くことになります。
まず売買契約書と重要事項説明書で解除の条項と特約を確認し、どの根拠で返還を求めるのかを整理します。
そのうえで内容証明郵便により期限を示して請求すれば、請求した事実と時期を後から証明できるでしょう。
交渉で解決しないときは支払督促や訴訟を検討し、請求額が60万円以下であれば少額訴訟という選択肢もあります。
相手が宅地建物取引業者であれば、免許を出した都道府県知事または国土交通大臣の窓口へ申し出る方法も考えられます。
まとめ
手付金の返還は、解除の理由と契約書の特約によって結論が分かれます。
買主の都合による解除では戻らない一方、ローン特約や売主の債務不履行があれば返還を求められます。
手付金の返還に応じてもらえずお困りの方は、日高法律事務所までお気軽にご相談ください。
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弁護士 日高 伸哉【大阪弁護士会】
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- 関西大学法学部 卒業
- 登録年 年(旧61期)
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| 所属団体 | 大阪弁護士会 |
| 所在地 | 〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満5-9-5 谷山ビル6階 |
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