兄弟姉妹の遺留分と遺言書の関係についてわかりやすく解説
■遺留分とは
遺留分とは、法定相続人が遺産を相続するにあたって主張できる最低限の取り分のことをいいます。
相続の結果、他の相続人が自己の遺留分を侵害していることとなった場合には、遺留分を侵害された相続人から遺留分を侵害した他の相続人に対して遺留分侵害額請求を行うことで、遺留分に相当する遺産を取り戻すことができることとなります。
■遺留分が認められる人
遺留分に関しては、民法1042条が「兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、…当該各号に定める割合を乗じた額を受ける」と定めています。これによれば被相続人(お亡くなりになった方)の配偶者や子などの「兄弟姉妹以外の相続人」には遺留分が認められるものの、被相続人の兄弟姉妹には遺留分が認められていないこととなります。
そのため、被相続人の兄弟姉妹は遺留分侵害額請求を他の相続人に対して行うことはできません。
民法が被相続人の兄弟姉妹に遺留分を認めていない理由としては、⑴被相続人の2親等の関係に当たる兄弟姉妹は、配偶者や子といった他の相続人よりも被相続人との関係が遠いことや⑵民法は第一に配偶者や子といった遺族の最低限度の生活保障を目的としていることが挙げられます。
■遺留分と遺言書との関係
⑴遺言書について
遺言書とは、被相続人の方が、自己の財産を誰にどの程度譲り渡したいかという意思を表した書面で、被相続人の方の意思を最大限尊重することが求められる相続手続きにおいて、大変重要なものとなります。
⑵遺留分と遺言書との関係
相続手続きは、遺言書の内容に沿って行われる場合がほとんどですが、真正に作成された遺言書であっても、その内容のみによって確定的に相続財産の分配が決まるわけではありません。遺言書の内容がある相続人の遺留分を侵害した内容となっていた場合には、その内容が被相続人の意思に合致したものであったとしても、上述の通り、遺留分を侵害された相続人が遺留分侵害額請求を行うことにより、自己に対して一定の相続財産を譲り渡すように請求することができます。
⑶兄弟姉妹の場合
相続人が被相続人の兄弟姉妹である場合には、上述の通り、遺留分が認められないため、遺留分侵害額請求も行うことができません。
そのため、例えば「○○(被相続人の兄弟姉妹)には一切の相続財産を相続させない」といった記載が遺言書内に存在した場合、兄弟姉妹としては遺留分が民法上認められていない以上、その内容を受け入れるしかないこととなります。
日高法律事務所では、大阪府において、皆様からのお悩みに広くお応えいたしております。
離婚問題、相続、不動産トラブル、交通事故に関してお悩みの方は、日高法律事務所へお気軽にお問い合わせください。
当事務所が提供する基礎知識
-
刑事事件・民事事件
■刑事事件と民事事件の違い刑事事件とは、窃盗や傷害、殺人といった犯罪行為に関わる事件のことをいいます。刑事事件では、警察・検察による捜査を経て起訴・不起訴の判断が行われ、起訴された場合は刑事裁判に進みます。民事事件とは、 […]
-
公正証書遺言の効力が...
公正証書遺言は、2人以上の証人による立会いのもとで、公証人によって作成される遺言です。そのため、公正証書遺言はより確実かつ正確に遺言の効果を発生させることができるという長所を持っています。しかし、そんな公正証書遺言でも効 […]
-
不動産トラブル解決の...
不動産トラブルが発生した場合、どこに相談してどのように解決していくのでしょうか。 不動産には、近隣住民とのトラブル(騒音・境界など)や住居そのもののトラブルなどさまざまなトラブルが潜んでいます。トラブルの種類に […]
-
交渉破棄
不動産売買契約をする上で、よく「仮契約」という言葉を耳にするかと思います。そもそも仮契約は有効なのでしょうか。この仮契約を締結したあと、本契約に向けて進めた交渉段階で破棄をした場合には、仮契約を破棄した側は責任を負うので […]
-
相続とは
■相続とは相続とは、ある方が亡くなったときに、その方が生前所有されていた財産を特定の人が引き継ぐことをいいます。相続の対象となる財産としては、不動産や現金、自動車や家具といった動産、株や各種権利、借金など、プラスの財産と […]
-
家賃の値上げを求めら...
■家賃が値上げされる場合賃貸借契約について具体的に定める借地借家法では、大家が家賃の値上げをすることができる場合が定められています。 ⑴固定資産税の増額大家は土地や建物といった固定資産を保有していることから、固 […]
よく検索されるキーワード
弁護士紹介
![日高伸哉弁護士の写真](https://hidaka-lawoffice.com/wp-content/themes/hidaka/img/top/staff.jpg)
弁護士 日高 伸哉【大阪弁護士会】
早めのご相談が早期解決に繋がります。 どのような些細なお悩みでも構いません。まずはご相談下さい。
困ったことや分からないことは、事態が深刻になる前に早めに弁護士に相談することが大切です。
当事務所は、ご相談の際にじっくりとご事情を伺い、その上でご依頼者様にとっての最善の手段を提案いたします。
初回の法律相談は無料です。(1時間程度)ご予約はお電話かメールフォームにて承っております。
- 経歴
-
- 関西大学法学部 卒業
- 登録年 年(旧61期)
事務所概要
名称 | 日高法律事務所 |
---|---|
所属弁護士 | 日高 伸哉(ひだか しんや) |
所属団体 | 大阪弁護士会 |
所在地 | 〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満5-9-5 谷山ビル6階 |
電話番号 / FAX番号 | TEL:06-6809-5337 / FAX:06-6809-5338 |
対応時間 | 平日:9:30~18:30 ※時間外は応相談 |
定休日 | 土・日・祝日 ※応相談 |
弁護士報酬等 | 料金は基本的に旧日本弁護士会報酬等基準によります。 |